東京23区の粗大ごみ料金はなぜ区によって違うのですか?
各区が独立した財政で処理施設を運営しているため、施設コスト・委託料金・品目分類が区ごとに異なります。その結果、同じソファでも区によって料金が2倍以上違うことがあります(2026年10月時点)。
東京23区の粗大ごみは、各区が「清掃一部事務組合」を通じて処理施設を共同運営しつつも、収集や料金設定は各区が独自に決めています。処理施設の建設・維持コスト、区の財政規模、委託業者との契約内容の違いが、料金体系の差として表れます。
もうひとつの大きな要因が、品目の分類方法です。ソファひとつとっても、千代田区は「一人用・二人以上用」の2区分、新宿区は「1人掛け・2人掛け・3人掛け」の3区分、渋谷区は「1人掛け・2人掛け以上」の2区分と、区ごとに異なります。品目区分の刻み方によって同じ大きさのソファでも当てはまる区分が変わり、結果として料金が異なってきます。
以下では、粗大ごみナビの収録データをもとに、代表的な品目の区別料金を比較します。
ソファを8区で比較すると、同じ品目でも料金に大きな差があります
引越しや買い替えでよく出るソファの料金を、東京23区の代表8区で比較しました。1人掛け・2人掛け・3人掛け以上の区分ごとに整理しています(2026年5月時点の収録データ)。
| 区 | 1人掛け | 2人掛け | 3人掛け以上 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 千代田区 | 600円 | 1,600円 | 1,600円 | 二人以上用が同額 |
| 新宿区 | 900円 | 1,300円 | 2,300円 | 電動リクライニングは2,300〜3,200円 |
| 渋谷区 | 900円 | 2,300円 | 2,300円 | 2人掛け以上・L型も同額 |
| 世田谷区 | 900円 | 1,300円 | 2,300円 | スポンジ・スプリングで区分 |
| 江東区 | 900円 | 2,300円 | 2,300円 | 2人以上用が同額 |
| 大田区 | 900円 | 1,300円 | 2,300円 | |
| 練馬区 | 900円 | 1,300円 | 2,300円 | |
| 足立区 | 400円 | 1,200円 | 1,200円 | 二人以上用が同額。最安水準 |
表を見ると、1人掛けソファは7区が900円のなか、足立区だけが400円と半値以下です。2人掛けは足立区の1,200円に対して渋谷区・江東区が2,300円と約2倍の差があります。一方、1人掛けが他区より安い千代田区は2人以上用が1,600円と、区によって安い品目・高い品目が異なることもわかります。
引越し先を検討するタイミングで「次の区では粗大ごみ料金がどのくらい変わるか」を確認しておくと、思わぬ節約につながることがあります。粗大ごみナビでは品目と区を選ぶだけで料金を無料で検索できます。
自転車とタンスの区別料金比較
自転車:同じ通勤用自転車でも400〜900円の差
大人用自転車(タイヤ径16インチ超)の粗大ごみ料金を比較しました。多くの区が16インチを境に料金が分かれており、子供用の小さい自転車は安い区分で処分できます(2026年5月時点)。
| 区 | 大人用(16インチ超) | 子供用(16インチ以下/未満) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 千代田区 | 600円 | 300円 | 車輪のみは300円 |
| 新宿区 | 900円 | 400円 | 電動アシスト式は1,300円 |
| 渋谷区 | 900円 | 400円 | 大人用三輪車は900円 |
| 大田区 | 900円 | — | 16インチ以上区分で収録 |
| 足立区 | 400円 | 400円 | サイズ不問・無料引取制度あり |
自転車は足立区の400円に対して新宿区・渋谷区・大田区は900円と、2倍以上の差があります。なお足立区には自転車移送所・自転車駐車場での無料引取制度があり、粗大ごみとして申し込まなくても無料で処分できる場合があります(詳細は足立区の品目別料金一覧をご確認ください)。
タンス:サイズ区分の刻み方が区ごとに違うため比較が難しい
タンスや食器棚などの大型木製家具は、区によってサイズ区分の設け方が大きく異なります。料金の幅を区ごとにまとめました(2026年5月時点)。
| 区 | タンスの料金範囲 | サイズ区分の考え方 |
|---|---|---|
| 千代田区 | 300円〜2,200円 | 「箱物家具」として高さ+幅の合計を5段階に分類 |
| 新宿区 | 400円〜3,200円 | 「箱物家具」として小・中・大・特大の4段階 |
| 渋谷区 | 400円〜3,200円 | タンス品目あり。小型400円・大型3,200円の2段階 |
| 世田谷区 | 400円〜2,300円 | たんすの小・中・大・特大で段階設定 |
| 練馬区 | 400円〜 | タンス(180cm以下)400円。大型は別区分 |
| 足立区 | 400円〜2,800円 | 箱物家具として高さ・幅合計で2段階に分類 |
タンスは「品目そのものの名前で区分する区」と「箱物家具というカテゴリで大きさ区分する区」に分かれています。高さ180cm前後の標準的なタンスの場合、千代田区なら中程度の区分で600〜900円程度、渋谷区では大型とみなされると3,200円になる場合があります。タンスを処分する前に、必ずお住まいの区の公式料金表か粗大ごみナビの検索アプリでサイズ区分を確認してください。
料金が安い区・高い区の傾向はありますか?
今回比較した8区の中では、足立区が全品目で最安水準です。新宿区・渋谷区・江東区は大型品目(ソファ2人掛け以上・自転車)が高めの傾向があります。ただし区ごとに料金体系が異なるため「この区は全般的に安い・高い」とは一概に言えません。
今回の比較で最も安い傾向が見られたのは足立区です。ソファ1人掛け400円・自転車400円(全サイズ)と、どちらも他区の半値以下でした。足立区の場合、ほぼすべての品目が400円の一律料金に近い構造になっており、大型品でも比較的安く処分できます。
一方、新宿区・渋谷区・江東区ではソファ2人掛けが2,300円と他区より高い設定です。これらの区は都心部に位置し、処理施設へのアクセスや地価の違いが運営コストに反映されているとも考えられます。
ただし、品目によっては都心区のほうが安いケースもあります。たとえば千代田区のソファ1人掛けは600円で、足立区(400円)に次いで安い水準です。「引越し先の区でどの品目を処分するか」によって、最もお得な区は変わります。
また、処理施設への持ち込みで費用を抑えられる区もあります。世田谷区では持ち込み料金が収集の半額程度(事前予約必須)、足立区では持ち込みが無料(事前申込制)です。運搬手段がある場合は持ち込みも選択肢のひとつです。
引越しや片付けで複数の粗大ごみを安く捨てるポイント
1. 料金確認は必ず申込み前に
区によって品目名・サイズ区分が異なるため、「前の区と同じ品目名で出せるはず」という思い込みは禁物です。引越し後の区では品目の扱いが変わる場合があります。粗大ごみナビで事前に料金を確認するか、各区の粗大ごみ受付窓口に問い合わせてから処理券を購入しましょう。
2. 複数品目は1回の申込みでまとめる
同じ区なら1回の申込みで複数品目をまとめて申し込めます(1回あたりの上限は区によって異なり、千代田区は10点まで)。ソファ・自転車・タンスなど複数品目を処分する場合、1回にまとめるほうが手続きの手間が少なく済みます。
3. 引越しシーズンは1か月前から申込みを
3〜4月や年末は申込みが集中し、収集まで通常より2〜3週間余分にかかることがあります。退去日が決まったら、遅くとも1か月前には品目を洗い出して申込みを済ませましょう。収集が退去日に間に合わないと、民間の不用品回収業者への依頼(数千円〜数万円)が必要になりかねません。
- 巡回トラックや「無料回収」チラシの業者は、積み込み後に高額請求するトラブルが報告されています
- 家庭の粗大ごみを合法的に収集・運搬できるのは、自治体から許可・委託を受けた業者に限られます
- 不安なときは各区の清掃事務所や消費生活センターに相談しましょう
自治体収集と民間業者の違いや使い分けについては、自治体収集と民間業者の比較ガイドで詳しく解説しています。
よくある質問
掲載している料金・申込方法は各自治体の公式情報をもとに作成していますが、改定等により実際と異なる場合があります。お申し込み前に必ず各自治体の公式情報をご確認ください。